サンムーンのマンダ軸所感
ボーマンダ単品から話を広げていく。
初速仕様の変更による対面性能の強化、最上位メガのデフレは追い風である(マンダも最上位メガの一角だが)。
ただし自身もドラゴンタイプの相対的な逆風とスキン補正の弱体化を受けた。
総じて以前より丸い性能だったが尖った部分がより丸くなったと考えられる。
性能が丸いとは、点数区分で考えると平均からそれ以上の項目が多く抜きん出た部分もないということ。性能が丸い≒「明確に」有利不利な相手が少ない意味もある。
型を変えれば対応でき、総合力はトップクラスでどんな局面でも全く働かないことが少ないと考えると破格の性能を持つ。点数区分で言うと各項目の合計が非常に高いということになる。
つまりマンダを活かすカギは火力耐久速度のバランス。
上述の通り単体で見た場合、点数区分各項目の合計が高いという点では単純に非常に強いポケモンという認識。
但し後述するように実際に構築に入れて活躍させるにはきちんと型を整えなければならない(仮想敵を定めてそれに勝てる構成にしなければならない)。
つまり構築単位で考えると、ボーマンダを軸にするか補完とするかを考え型を選択する必要がある。特に対KP上位を考えた際に互いの型で有利不利が覆る相手が多いのだから尚更である。
軸となれるのは主に火力に厚い竜舞か両刀。その他の型は軸にするには勝ち筋が薄い。その代わりにA振り竜舞や両刀ではない型は特定の並びに強く戦える補完としての運用に向く。
即ちマンダ軸を考えた際にマンダの型から決めていくような組み方は竜舞や両刀でなければ難しいのではと考えた。
さらに第七世代は単体で飛び抜けた性能を持つポケモンが少なく、Zによりどのポケモンでも火力を持つことが可能なこともあり並び単位の戦いという認識がある。
そんな事情もあり「マンダ軸」という曖昧な並びでは攻守共に中途半端であり、相手の尖った勝ち筋を押し付けられ食い止められず、此方の攻撃力では受けを崩すことも難しい。
ボーマンダは単純に強いポケモンであってあまり考えずに採用し選出してもまずまずの戦果を挙げてしまうので、勝ち筋が曖昧という構築の欠点を隠してしまう点がある意味でたちが悪いところ。
この欠点に関しては中途半端な並びでレートに潜っても全体の完成度の低さから上位に通用しないのはもちろん、選出時間の短縮や持ち時間制による対戦中の勝ち筋模索の難しさ、レート差マッチングの増加も逆風となり勝ち切ることができなかった原因であることはS2までに身を持って味わってきた。
これまで組んだ自身の構築について勝ち筋が薄かったのは竜舞でも両刀でもないマンダを採用かつ他の軸もなかったがためである。
以上よりマンダ軸という括りではプレイヤー自身がマンダそのものや構築に色付けすることが求められていると言えそう。
但し上述の通りマンダを活かすカギは火力耐久速度のバランスであり、それに対する色付けと考えると非常に難易度が高い。
僕の力量では今世代いっぱいをかけても恐らく達成することは不可能に近いのだろうが、これに対し挑戦することが「勝ち筋を意識した構築を作ること」という今世代の目標の一端。
単体の評価方法(点数区分)
あるポケモンの性能を説明するための点数区分の説明。
次回公開予定の記事の補足的な内容でもある。
点数区分とは、あるポケモンのある項目について10点満点と考えて点数をつける評価の方法。
つまりキャラランクの評価のモデルの一つであり、プレイヤー毎にあるポケモンの評価が違うのは当然である。
項目に関して厳密には非常に細かくもできるのだが、大別すると以下3点と考えている。
- 攻撃力
一致範囲、ステータス、特性、技、アイテム適性
- 防御力
耐性、ステータス、特性、技、アイテム適性
- 速度
ステータス、特性、技、アイテム
(項目が攻撃力、防御力、速度ではあるが各項目の評価の元である細かい性能に関しても点数を付けることも可能だし、その他には対面性能、崩し性能、抜き性能、補完としての組み込みやすさ等といった概念での点数付けもできる。)
例えば、僕がボーマンダというポケモンに対して評価するならば攻撃力9点、防御力8点、速度9点(計26点)といった具合に評価する。
何故に攻撃力が9点であるか等という説明になると膨大な量になってしまうためこの場では割愛させていただく。
強いて一言言うならば、評価の総合点の高さから型次第ながら多くの相手と戦うこと、総合点が低い相手を圧倒することも可能だが、ある項目が10点である相手の場合は多少の器用貧乏さが露呈するという感じ。
因みに上記で各項目で10点満点と書いたが、今の環境にいるポケモンはある項目において10点満点をオーバーフローしているポケモンも多いとは思っている(例えばラッキーは防御の項目で明らかに10点を越えている)。
そのため10点満点というのは誤りで、10点という基準がその項目で既に十二分の性能を持っているという認識が正しい。
項目を分けて点数で見ることによって各々のポケモンの単体性能や得意分野が分かりやすくなるので、採用や考察の一助として(僕の中で)活用していきたい。
【サンムーンS2使用構築】起点回避マンマン準伝サイクル
シーズン2お疲れ様でした。
対戦して下さった方々に感謝致します。
単純な完成度の低さからこの構築は失敗作です。
この点をご了承の上お読みいただくと幸いです。
- 並び
S1の焼き増し。タイプ補完サイクル。
各ポケモンの補完範囲はもとより使用率の高いポケモンをある程度意識して組んだが、強いて言えば起点回避に重点を置いた。
その理由としては、今作ではやはり死に出しや不利対面からの抜きに対するケアがシステム的に以前より難しく、実際に積み系が猛威を振るっているからである。
そこで各ポケモンが構築単位で積まれると厳しい相手に対して起点回避を行い全抜きを防ぐことで数的優位を守るというサイクルの勝ち筋を通すのを目標とした。
またサイクルの中では局所的な受けや流しを担うクッションが欲しくなるが、クッションが守備に偏り過ぎるとそこを起点に崩されることが懸念されるので、流し回数を複数回限定にする引き換えに相手への負担を増しつつクッション自身の起点回避性能を高めるような構成を目指した。
実際には上述の理想には程遠いが方向性としてはこのような感じ。
- 個別解説
189(148)-171(124)-101(4)-117-102(12)-162(220)
189(148)-181(124)-151(4)-126-112(12)-184(220)
やつあたり/かえんほうしゃ/みがわり/はねやすめ
試作の役割破壊入り汎用物理ボーマンダ。
対面性能や繰り出し性能が比較的高いHAS配分。微調整は諸説あるがそれだけで長い記事になりそうなので割愛する。
技は使い慣れた八つ当たり身代わり羽休めまでは採用。最後のスロットで対応範囲を変えられる。
火炎放射を搭載することでエアームドで止まらず受けループに強くなる。ヤドランに他のポケモンで毒を入れてしまえば後はマンダで立ち回っているだけで相当。
炎打点としての威力は信用できないがそれでも全く使えないことはない。
次シーズンにはメガクチートが解禁されるが抵抗可能である点から活躍が期待される。
(5/15 S3撤退につき公開)
185-200(252)-100-x-81(4)-132(252)
サイクル導入の襷マンムー。対面性能、電気無効、礫での縛り、抜きの食い止めを期待している。
選出及び運用の負担を軽減するという目的はZや積みの隆盛によって尚生きている(対策を丸投げしたとも言うべき)。この辺りは過去の構築を参考にしていただくと幸い。
対レボルトに関してZ気合玉を考慮するとチョッキ持ちでも厳しいので、それならいっそZを受けても耐える襷という策が誤魔化しとして優秀だった。
当然ステロ環境でもあるので襷が役に立たない対戦もあるが、相手先発のステロ撒きに対して相性がいいのでそれを潰す目的での選出は少なくない。
最後の技枠(封じの枠)は色々試したが最適解が結局分からなかった。
176(244)-x-170(156)-120(36)-151(4)-114(68)
リザードンXギャラドスバシャーモパルシェンに対する後投げ、自然の怒りでの削りや挑発や異常無効と併せ対耐久が主な役割。オボンを持つことで繰り出し性能を確保する。
配分に関しては一長一短だがレヒレミラーでS振りが役立った。
水技を切ってまで黒い霧を入れているのはウルガモス等への起点回避、舞羽リザXへの遂行補佐、スタンでは穴になりやすいバトンや小さくなるに対する対策のため。この技で拾った対戦は少なくなく氷Zでなくても十二分に採用価値があることが分かったのは収穫だった。それでも遂行のために水技を必要に感じることもあり、自然の怒りを切るのも選択肢かもしれない。
テッカグヤ@イアのみ ビーストブースト
204(252)-122(4)-136(100)-127-154(148)-73(4)
ヘビーボンバー/ストーンエッジ/かえんほうしゃ/やどりぎのタネ
耐性を意識してテテフドリュ等に出す鋼枠。
前半はBに厚く割いたゴツメ持ち個体を起用したが、役割対象のガルーラとあまりマッチングしなかったこと、回復ソース不安から過労死頻発、何よりテテフに薄過ぎたので没に。
上記の反省からテテフを意識して特防優先の配分にし、物理にも役割を持たせたいのでBもそこそこに振り、1/2回復のきのみを持たせ過労死を緩和させた。きのみの発動には癖があるが耐久に厚く振ったことで多くの攻撃を2耐え程度になっているので圏外から貫通してしまうケースは多くはない。
技に関しては呼ぶ相手に負担がかけにくいが役割遂行のためにどれも外しにくい。ストーンエッジは対リザウルガ霊ボルトの起点回避及び交換読みやボンバーだけでは怪しい羽マンダへの削りと命中不安を差し引いても活躍した。宿木が机上では必須に見えるが、実戦では崩し速度の遅さやきのみ発動の調整が難しいことから僅かに疑問。いっそ構築単位での崩しを重視して毒の方がいい気がしなくもない。
カプ・コケコ@フェアリーZ エレキメイカー
145-121-105-147(252)-96(4)-200(252)
補完として入れたが非常に迷走していた枠。
水への圧力、ゲッコウガを抜くS、Z適性、霊ボルトロスに無抵抗ではないを満たす中で汎用性は随一のポケモン。Sが高いのでこのポケモンの一貫を作るという勝ち筋が視野に入るが、耐久の薄さから終盤まで生き残らせるのが難しい。
無類の強さを誇ったS1と比べ、電気無効の選択肢が増えた上にリザXナットバナの参戦で電気の通りが悪く環境的に逆風を感じた。
フェアリーZは特に重い電気(ミラー)に対して削りを入れる目的。火力はZでも正直不安で紙耐久を一撃で落とすにも僅かに足りない。それでも基本的には電Zの大火力が警戒されていてフェアリーZが想定されにくいこともあり、削りと割り切れば通りの良さが活きる。他には強引にZでコケコ対策のポケモンを倒せれば自身が暴れられるので(局所的な)役割破壊としても使えなくはない。
技はどれも役に立ったが他の候補も粒ぞろいなので要検討。蜻蛉は主に安定択だが裏のポケモンが無償降臨を生かしにくいので若干疑問。スイクンのミラコを躱せる瞑想、毒、身代わりがいいかもしれない。
エンテイ@たべのこし プレッシャー
208(140)-136(4)-106(4)-x-109(108)-167(252)
せいなるほのお/じならし/どくどく/みがわり
型は考えどころ(鉢巻なら対面テテフに勝てる)ながら環境にそれなりに刺さっていると考えていたポケモン。具体的にはミミッキュに強め、偶発テテフのスカーフ見切り、リザYウルガに見た目有利、ガブマンダギャラ霊ランドの後出し牽制可等。
炎枠として鋼を起点にした崩しを基本として、繰り出しや対面もある程度こなすことを期待し残飯毒のタイプ。
異常無効のレヒレと組むというのはミスマッチもいいところであるが、実戦では同時選出の頻度は程々の中で自滅になったことは数回のみ。浮いているポケモンには問題なく刺せる、身代わりでターン管理も一応可能、レヒレ選出なら耐久にはそちらでも圧力をかけられる等でケアできなくはない。
地ならしは地面打点、S↓によるささやかな起点回避、対ゲンガーを少しでも楽にする意味合いだが、リザYウルガを処理できるストーンエッジや型との相性が言わずもがなの守るも極めて有力なために悩ましい。
ただでさえ厳しい相手であるレヒレが尚重くなったこと、炎単のため枠の圧縮が利かず構築全体の守備範囲が狭くなるのが難しいと感じた。
- 選出と立ち回り
マンマンレヒレではあるが特別な軸はない。
相手の勝ち筋を消すのが勝ち筋なので相手のやりたいことを見切る。
各々の対面性能も低くはないので殴り合いも視野に入れる。
この部分が固まっておらず選出立ち回りと構築がリンクしていないことも勝てなかった一因と痛感した。
- 課題
構築
天候、トリル、受けループ
主に展開系に苦戦。ランク補正を上げるタイプはある程度ケアされているところはあるが即座に場を整えられる天候が厳しい。
特に雨に対してタイプ相性含めて非常に重い。キングドラはともかく展開要員のペリッパーの時点で既に非常に苦しい。
トリルは今季ちらほら見かけたが、トリル役の技候補が少なくない上に耐久が高くサイクルに参加されるので妨害するのも難しい。
受けループは並び次第で崩す手段に欠けているため苦しい。受けル側の使用ポケモンが非常に多様化していて構築作成段階での事前対処が難しかったことも挙げられる。
単体
カプテテフ、リザードン(両)、カプコケコ、バシャーモ、カプレヒレ、ガルーラ、ゲッコウガ、霊ボルトロス、ゲンガー、メタグロス、バンギラス、ジバコイル、ロトム(水炎)、アシレーヌ、ウツロイド、フェローチェ、デンジュモク、ペリッパー、ポリゴンZ、ドサイドン、オニゴーリ
ミミッキュ、ボーマンダ、ギャラドス、マンムー、ギルガルド、パルシェン、ポリゴン2、ウルガモス、キノガッサ、マリルリ、スイクン、ヤドラン
サイクルを著しく制限してくる上段のポケモンが非常に厳しい(赤字入りには特に勝てなかった)。具体的には高速広範囲や埋めきれない穴(岩や電の一貫)を突いてくるポケモン。
記載していないものに関しても並び単位では厳しい相手も多かった。
厳しい相手が多過ぎるだけでなく、削りつつ切って裏で始末するという誤魔化しさえも難しいので総崩れも多々。
サイクルの難敵であるZ持ち自体は見切りやすいところもあるが、どのタイプのZを所持しているかの判断及びその対策は難しく役割破壊を受けるのは諦めるしかなかった。
存在自体がサイクルクラッシャーであるリザードン(選出でどちらか見切れれば厳しいなりに戦えるが、外した場合は敗色濃厚)をはじめ高速広範囲と崩しの環境ではタイプ補完サイクルはやはり逆風だったか?
その他
中速集中
中速ばかりが集まった結果、高速(抜き)とトリル共に大きな隙を見せた。中速を活かせる麻痺のギミックも搭載されていないため数値に無駄が出るだけの悪い部分が露呈した。
ステロ耐性の低さ
岩の一貫はもとより交換の頻度が低くないだけに消耗が激しい。リザウルガ繁殖故にステロが多かった意味でも辛かった。
雑感として実質的に有利に戦える相手が極めて少なくなってしまったように感じる。勝つためにはジリ貧を防ぐため不利択や一点読みを通すもしくは相当の運が必要になり、僕のスキルではとても勝ち切れるものではなかった。
様々な相手を見たいと欲張った結果が中途半端という失敗の見本と思う。
- 結果
2000に一瞬到達できたのは個々の単体性能が高かったからに他ならない。
最終盤に上を目指して潜り力尽きた(構築が強くないこともあり最終レートが落ちるのは当然の結果と思う)。それでも2000で止めることなく挑戦したことが唯一の成長。
かつてない程に強いポケモンを使用したにも関わらず、インフレの波に乗ることもできず、数を潜って収束するのが1800前半ということでこれが実力だろう。
- 途中採用等
第二構築もしくは一時お試しとお遊びで採用したポケモン達。最終盤よりこれら使ってた時のが勝ててたのが草
第二構築はアイデアとしては悪くなかったが強い並びを作れず没になった。
どれも単体としては優秀なのでまた試してみたい。
- 余談
今季はQRレンタルチームの解禁があり、他の方の構築を気軽に使えることから研究や遊びのために幾つかの構築を使用させていただいた。構築(QRコード)を提供して下さった方々にはこの場で感謝の意を伝えたい。
Special Thanks(QRレンタルチーム提供)
クラウディアさん、木魚さん、割りばしさん(五十音順)
纏まらない内容で恐縮ですが、長々とお読みいただきありがとうございました。
次シーズンもよろしくお願い致します。
おいうちアローラベトベトン【役割意識】
ベトベトン(アローラのすがた)@とつげきチョッキ、フィラのみ系、ラムのみ、くろいメガネ、ちからのハチマキ、たつじんのおび
どくしゅ/くいしんぼう
おいうち/どくづき、ダストシュート、はたきおとす、かみくだく、かげうち、だいばくはつ、ストーンエッジ、がんせきふうじ、れいとうパンチ、ほのおのパンチ、かわらわり、だいもんじ、かえんほうしゃ、クリアスモッグ、おきみやげ
意地または勇敢HADベース(後述)
役割関係整理
- 役割対象(後出しから勝てそう)
カプテテフ、ゲンガー、ポリゴン2、クレセリア、ジャローダ、ウツロイド、(ギルガルド)
- 偽役割対象(対面で勝てそう)
特殊フェアリー全般、ゲッコウガ、ウルガモス(これらに対して互いの型次第では後出し処理も十分可能)
- 被役割対象(相手が繰り出してくる)
地面全般、ボーマンダ、ギャラドス、クチート、ルカリオ、バンギラス
耐性や範囲補完が強力な複合である毒悪。以前のドラピオンの記事時点の期待通りHADが比較的高くエスパーゴースト(ゲンガー)や低火力特殊に後出しから負担をかけられフェアリーにも対面なら有利。
ボーマンダ入りにおいてはマンダの苦手な相手に刺さっているので十分に採用圏内と思う。
並びとしてはカプレヒレと並べると単純なタイプや数値での相性がいいだけでなくミストフィールドで鬼火催眠を防げベトンのゲンガー遂行を補佐できる(こちらの毒も接地には無効になるが)ので可能性を感じている。
現在の環境ではバンク解禁により遺伝経路が開けたことでおいうちを習得して刺さるエスパーゴーストに対してのサイクルカットを期待できる。
サイクルは読みやプレイングの負担と急所追加効果の被弾率及びその被害が大きい上にZや積み技の崩しと役割破壊により複数回サイクルを回すことが難しい環境。そんな中でサイクルカットによりサイクル数を減らせるのは重要と考える。
カプテテフはエスパーの大火力、フェアリーとの補完、アイテムやサブの選択肢の広さ、先制無効、並以上の耐久を誇りシングルレートトップメタであるが、アロベトンはそれに対して有数の耐性を持つことから後出しでの処理を狙うのが採用理由である。
おいうちは等倍なので完全に役割を持たせることは難しいが、テテフに対しての繰り出し際の被ダメージや行動からアイテムや配分を探りつつ削りを入れることで裏の(スカーフ持ちではない)テテフを上から叩けるポケモンと連携して処理を狙いたい。
おいうちを切る型は相手のテテフの裏に負担をかけて最終的にベトンを通す動きを狙うことになるのだが、ベトンは全抜きをするようなポケモンではなく隙を見せてしまう相手も少なくないのでテテフに直接圧力をかけて遂行成功率を高める、つまり並びを崩すというのがおいうち搭載の意義である。
またゲンガーに対しても高い耐性を持つのでこちらに対してもおいうちでの処理を担いたい。鬼火催眠滅び身代わりにより確実な遂行は難しいのは残念だがこちらが有利なことは間違いないし、ラム持ちの対ゲンガー重視の型にする選択肢もある。
ゲンガー狩りの役割を果たせるポケモンとして圧倒的数値を誇り砂で攻守の確定数を補えるバンギラスがいるが、気合玉への耐性やその他の偽役割対象が異なることから住み分けされていると考えられる。
配分の基本
Aは正直足りていないので可能な限り高めたいところ。
具体的にはA特化でも167-101メガゲンに対し成功おいうち9/16の中乱と若干の不安が残るので、よく使われている159-100に対しての乱数を下げない意味でも特化推奨。
残りは基本耐久で問題ない。役割対象が特殊に寄っているのでDに偏らせるのが有力だが、フィラ系持ちなら物理耐久も意識するのも視野。
SはラッキーやS下降60族を意識して20か28振る程度が限界。
ガルドに対しては耐性が有利でシャドーボールZのクッションに適するので抜かれ調整をしてもいいが一長一短という感じ。接触技での遂行は難しいので非接触のダストシュート岩技特殊炎を採用しキンシを躱す立ち回りも視野に入る。
アイテム
これを考慮して最終的な配分を決める。
- とつげきチョッキ、フィラ系きのみ
どちらでもカプテテフの眼鏡ムーンフォース2耐えを実現できる。
毒手での削りを期待でき瞬間大火力の特殊に強いチョッキか、A振りゲッコウガや怒りガデアロに強めかつきのみ使用前提なら耐久も純粋に高いフィラ系かはよく周りと相談したい。
これらを持つことで一致弱点を突かれず毒悪どちらかが通る特殊ポケモンには大方殴り勝てる。
1.@チョッキ 毒手
183(20)-172(252)-95-x-150(236)-70
C195アシレーヌ激流海神耐え
C205ウルガモス大文字Z(C+1)+ステロ11/16で耐え
2.@フィラ系 くいしんぼう
206(204)-172(252)-96(4)-x-126(44)-71(4)
A156ミミッキュじゃれZじゃれ影うちまで耐え
C211リザYオバヒ11/16で耐え
3.@フィラ系 くいしんぼう
180-172(252)-95-x-152(252)-71(4)
D振りで瞬間特殊耐久を意識
C211リザYオバヒ最高乱切り耐え
- ラムのみ
テテフよりゲンガーを厚く見たい場合に有力。
鬼火を繰り出し際に受けると火力を削がれおいうちで仕留められなくなるのでケア、催眠に対しても遂行成功率を高められる。
耐久水の熱湯にも気持ち強く、影打ちがあれば対面ガッサに勝てるようになる等といったオプションも見逃せない。
- くろいメガネ、ちからのハチマキ、たつじんのおび
上述の通り167-101メガゲンガーに対しておいうちで確定を取ることができないので火力を上げて確定数を補う。
べトンは毒悪範囲の一貫で攻めるポケモンなので、サブまで意識しない場合は帯より前者2種が勝るケースが多いと思われる。
起点回避技について
役割特化型のポケモンな上に環境が積み優勢なので遂行後の起点回避を意識する価値がある。味方との兼ね合いながら起点にされての全抜きが危惧される場合に大爆発、岩石封じ、クリアスモッグ、置き土産の何れかを構築に合わせて採用したい。
- 大爆発
裏のスカーフや先制技と合わせ起点回避になり強引な道連れや削りとしても機能。選出を外し役割がない場合でも行動できれば無理矢理削る動きができる。
起点回避技の中では身代わりに強いが火傷やノーマル耐性に弱い。
- 岩石封じ
S下降による起点回避を狙う。リザYガモスに対する対面処理にも用いることが可能なので役割が広がる。これらの瞬間大火力を耐える必要があるためチョッキ持ちでの採用が基本ではある。
相手の火力を削ぐことは出来ず身代わりにも強いとは言えない。
ランク補正を打ち消すという起点回避。特に襷持ち、ミミッキュ、バトンに対して刺さる。
鋼や身代わりに対してはなすすべがない。
- 置き土産
直接ランク補正を落とす起点回避技でこちらの裏の逆起点を狙える並びにするのも面白い。グロウパンチやニトロチャージといったダメージを与えつつランクを上げる技にも耐性がある。炎技を搭載しにくいこの型ではクチートルカリオハッサムに対して有効なのもポイント。
火傷にも強いが身代わりにはやはり無力。
余談
今回のベトンは役割特化型のポケモンだがこの手のポケモンは選出を外した場合に腐りがちになることが一番の問題である。
仮想敵への安定性が最も重要だが如何に汎用性を維持できるかも考慮したい。ここで言う汎用性とは不特定多数に対する対面性能や役割対象の数である。
汎用性を高める(≒役割対象や偽役割対象を広げる)技と役割を安定させる技はスロットの関係上トレードオフになることは避けにくいので控えに任せる相手あるいはベトンで倒す相手を構築で決めておくのが最も重要で最も難解な部分と思う。
要は構築作成は難しいという当たり前の話…
- 使用構築
チョッキどくしゅ型でレヒレやマンダと組ませ使用。
【サンムーンS3使用構築】鋼枠分担マンダサイクル - サラマンスター(ポケモン)
【サンムーンS1使用構築】凡俗マンダサイクル
サンムーン最初のシーズンお疲れ様でした。
対戦して下さった方々ありがとうございました。
- 並び
タイプ補完意識の「何となくサイクル」。そしてみんなとてもかわいい!
組み始めはボーマンダ+ランターンのマンダランタで、構築内で互いの補完範囲を広くし環境を多少意識して組んだ。
この並びで潜りはじめて個々の型は紆余曲折したが並びを変えたのは一度きりでそれも直ぐこれに戻した。
本当のことを言うと、最初は新環境のお試しとお遊びのつもりだったがバンク解禁まで育成が大変な中で個体を変えるのを渋ったこともあり、使ってるうちに今季は一蓮托生と考えそのまま使用した。
- 個別解説
記載しているのは最高最終時の使用個体。
一応の採用決定順。
197(212)-166(84)-101(4)-x-102(12)-159(196)
197(212)-176(84)-151(4)-x-112(12)-181(196)
やつあたり/どくどく/みがわり/はねやすめ
状況に応じて対面繰り出し抜き崩しを高次元でこなす(壊れに片足を突っ込む)スーパーポケモン。
ポリ2が重いので逆に負担をかけられる毒羽。事実ホイホイ釣れて構築単位で倒したがそれでも重いことは変わらない。何故重いかと言えば、どこかでボーマンダで有利対面を作り相手がポリを後出してくるように仕向ける必要があるが、それ以前にポリを流すこと自体が難しいから。
初速仕様の変更で対面性能が高まったのは明確な強み。ルカリオに役割を持ちやすく、威嚇がかかったガブ偶発ではメガシンカしつつ身代わりが安定になりやすい(初手スカガブは少なめ)。さらにメガシンカを保留(威嚇を保持)する動きもしやすくなり毒羽型にとって尚追い風。
配分に関してはやや耐久過剰であり確定数やスキン弱化を補うためH189まで下げてAに回すのが良さそう。それでも低耐久にミリ耐えされるので捨て身採用も一考と思う。
相手のマンダに対する対策が厚いのはともかく、コケコに無抵抗に近いのが響いて選出率は低い。
余談だが、今季マンダの数はとても多かったようだがその中で毒羽がどのくらいの割合だったかは興味がある。
185-200(252)-100-x-81(4)-132(252)
お馴染み刺さらない環境が無い神ポケ。マンダマンムーの相性はサンムーンでも健在と思う。
全抜きを強引に食い止める「襷枠」として期待。襷持ちでも電気無効は極めて重要。
サイクルに入れる襷マンムーも以前から使っていたので問題なく運用できた。環境的に襷が(ORASより)潰されにくいこともあり大活躍だった。
襷持ちの場合、地味に挑発を防げる鈍感も悪くはないことに気付けたのも収穫(厚い脂肪がベターではある)。
最後の技スペが余ったのが気がかり。微妙に足りない火力を補ったりできるステロか耐久に通せる毒で運用したがしっくりこなかった。
ポリ2パルに強行できる地割れ、ギャラに僅かながら抵抗できるフリーズドライ(性格寂しがり)、氷柱針を切ってステロ吠える等も考えられた。叩き落とすやがむしゃらがあれば…
コケコが重かったのでチョッキも試したかったが通常特性で育成したくなかったので断念。
テッカグヤ@たべのこし ビーストブースト
203(244)-122(4)-136(100)-128(4)-155(156)-72
鋼枠らしい鋼枠。
テテフに対してまともに戦える唯一のポケモン。ランタやマンムーと並べると拘り10万に強いので多少安定する。
当初ほぼD特化で運用したが物理耐久も要求される局面が少なくなかったのでDからBに少し回した。
サブに関しては水やドサイドンに通る草結びも一考ではあったがマンダの型とも相談して炎技を優先。技外しが大嫌いなので火炎放射で長いこと使用したが、最終的に意地ハッサムや破ったパルへの確定数を考えて文字に変更。火炎放射なら性格慎重でもいい気もする。
起点回避が苦手な上にギャラドスを呼び込むことだけは厳しい。
余談だが、シーズン2以降は強力な炎や電飛が解禁されるので岩技の優先順位が上がると予想している。
183(212)-85(4)-113(148)-178(124)-136-82(12)
ムーンフォース/うたかたのアリア/アクアジェット/アンコール
対面性能と多少の繰り出し性能を期待。オニゴーリに見た目有利ではある。不安定ながらギャラドスパルシェンのストッパーも担った。
ギャラを相手にする際には味方の威嚇や宿木の支援があると楽だがそれらを入れるのも難しく強行突破されることも少なくなかった。
一時期Zをランターンやウインディに譲りオボン熱湯滅び型で運用したが確定数が変わった場合が少なく感じたので汎用性を重視して戻した。
うたかたの火傷治癒は邪魔だがZとスイッチできることもあり、幸いにも一度も足を引っ張ることはなかった。
ポリ2への乱数がやや足りず、Dが生きた機会も多くなかったのでBC振りに寄せて火力を高めた方が良かった。
単体としての強さは申し分なく、これのベースの型を発売後直ぐに考案できたのが一つ満足できた点。技と種族値とタイプを見れば誰でも思い付くだろうが
ただ構築のバランスや汎用性を考えると、この枠が偶発フィールド上書きやギャラへの安定度を重視してブルルやレヒレの方がいいと思う(レヒレは異常無効が裏目に出そうだが)。
ランターン@シュカのみ ちくでん
201(4)-x-79(4)-140(252)-127(244)-88(4)
マンダやテッカグヤとの補完に優れる電気無効枠。
アイテムは2000到達時にはシュカだが眼鏡や水Zで運用した期間が極めて長かった。S1ではシュカランターンが刺さっていると最初に考えた方の慧眼に敬意を表したい。
シュカは対面性能が高まりめざ地にも耐性を得られる。マンダギャラには勝てずとも削れるのが大きく物理に突っ張る択もあるので選出運用の負担を軽減できた。あくまでも保険であり基本的には一致に居座ることはない。但し電気への役割を強く持つなら火力補強(眼鏡かZ)に軍配が上がりそうなので悩ましいところ。
配分とシュカがちぐはぐだが一致地震も無傷であれば耐える程度の耐久はあり使っている中で問題は生じなかった。
技構成は平凡。ランターンというポケモンは地面をはじめ物理を呼びやすいのでドロポン波乗りより熱湯が好み。毒は非常に重いポリ2に能動的に刺しに行けるので外せない。
コケコを後出しから始末しうるが此方の火力(遂行速度)が不安なこともあり幾度となく役割破壊されたのが悲しい。
ウインディ@フィラのみ いかく
188(180)-176(236)-101(4)-x-102(12)-125(76)
鋼に圧力をかける炎枠(補完)。
威嚇と耐性耐久で鋼に繰り出して火傷をばらまく。環境に炎が少なくマンダの空元気搭載率も体感的には低いので鬼火の通りがいいのは追い風だった。
神速があるので炎技が通る相手に対しては対面性能が高いのが嬉しい。構築で足りない火力を擬似的に補うこともできた。
吠えるは起点回避や身代わりを意識して入れたが使用機会は思うよりあった。
途中までガルドカグヤに厚くなる身代わりを入れて運用していたが、それらと思うよりマッチングせず技スペの圧迫と見て切った。
水タイプ全般がかなり重いのでワイルドボルトもありかもしれない(電Zも考慮)。
アイテムは炎Z、炎プレート、オボン、シュカも悪くはないが悩ましい。フィラ(1/4以下で1/2回復系)に関しては残飯をカグヤに譲った代替及び身代わり搭載時の名残だが、自身の程々の耐久から相手の攻撃+フレドラ反動等で上手いこと発動するケースが多く、鋼やミミッキュに安定しやすくなり対面メガゲンガーにも相討ちで済むので侮れなかった。
結果として抜きに対してのケアを重視した型になり構築視点での使い勝手はまずまず。
一蓮托生と言いつつも、重いギャラポリ2を呼び込みやすくなるのが嫌で低迷期に一時期カミツルギに変えてしまったが、構築単位で鋼が辛かったので直ぐにウインディに戻した経緯はある。
- 選出
相手に刺さっているポケモンを適宜選択。
積み構築が重いのでその場合にはウインディやマンムーを選択して強引に食い止める場合が多い。
- 立ち回り
サイクルを回して数的優位を確保するのが理想。
多少対面気味な部分もありアシレマンムーで単純に殴り合うパターンもあり。
相手の選出を予想して誰を残して誰を切るか考えて動く。
サイクルの基本なので取り立てて特別なことはしない。強いて言えば普通に回すと負ける相手に対するヤンキープレイ(一点読み)程度。
- 課題
構築
やはり尖ったコンセプト軸(壁積みバトン、トリル、天候、受けル)が重め。
逆にマンダ軸やルカリオ軸をはじめとしたスタン系には比較的勝てた気がする。
単体
カプコケコ、カプテテフ、カプレヒレ、ギャラドス、パルシェン、ポリゴン2、ポリゴンZ、オニゴーリ、デンジュモク、ゲンガー、ガルーラ、ドサイドン
ミミッキュ、アシレーヌ、マンムー、ギルガルド、ガブリアス、フェローチェ、ハッサム、マリルリ
単体に関して、特に上段の面々は厄介さのベクトルこそ違うがどれも処理が難しく此方の選出と立ち回りを圧迫してくる。
数値不足からなる全体的な構築パワーの低さが最大の問題点。
低耐久さえワンパンできないので速度の低さも相まって程々の耐久のポケモンにガンガン殴られたり(先制無効で鬼火力のテテフは厳し過ぎる)、上からのZ技による役割破壊で即終了した対戦も多い。
自らの強力な勝ち筋がなく終盤も有利なポケモンで詰めていくしかないのが弱い。
結局のところ「何となくサイクル」の括りを脱出させられない僕の構築作成力の問題。
個々の型は悪くはないと思うがもう少し尖ったポケモンを採用した方がいいような気がする。具体的にはスカーフ持ちを刺して切り返しとする等。
- 結果
ORASを含めた最高レート更新と最終500位以内を達成できたのは素直に嬉しい。
1900までは予想外に順調ながら、一時期1700台まで落ち込んだこともあり2000まで上がるのに100戦以上を戦った。16連勝や9連敗とか波が酷い上に初戦負けで最低レート1480台
様々な意味で苦手なオニゴーリと稀に当たる程度でマッチング運も悪くはなくラッキーだったと思う。
長々と最後までお読みいただきありがとうございました。
次シーズンもよろしくお願い致します。