サラマンスター(ポケモン)

ウルトラサンムーンシングル中心に殴り書き

竜枠とマンダサイクル

まずウルトラサンムーンでもよろしくお願い致します。

 

現在では意義が減り聞く機会もないだろうが第五世代では存在していた竜枠という概念の小話。

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  • ドラゴンタイプの軌跡

簡単なおさらい。

(第五世代)

竜枠が存在した理由として一つは下記のような性能面での優秀さがあった。

・フェアリーが存在せずドラゴン技の通りが非常に良い(耐性持ちは鋼のみ)

・ドラゴンタイプは種族値が高いポケモンが多い

・技の威力も高く半減の鋼でもある程度の負荷がかかる

・鋼には再生回復を扱えるポケモンが少ない(受け切るというよりは複数回の流しでの削り合いになる)

・鋼からドラゴンを迅速に遂行するのも難しい

・ドラゴンもサブで鋼に対抗しえる

これらの要因から圧力が凄まじく相手を自由にさせにくい。

穴があるとすれば高威力のドラゴン技はデメリットがあり半減で受けることでそれを咎める余地があるところ。 

(第六世代)

タイプでの相性関係が攻守共非常に優れるフェアリーの登場、それに不利なドラゴンはタイプとしての価値が低下。

特に技の一貫性が落ちたことで選出でフェアリーが見えた相手に選択しにくいこと、特に拘りでのリスクが顕著になった。

それでもフェアリータイプのポケモンには数値で優れたポケモンが少ない(メガ勢を筆頭とする高数値に押し負けやすい)ことから採用しない構築も珍しくなかったため攻めの点においてドラゴンの優位性が全くないわけではなかった。

(第七世代)

フェアリータイプに強力なポケモンミミッキュやカプ神)が参戦し、それらが環境に席巻しているため相性不利なドラゴンはタイプとしての立場が苦しい状況。

上述のフェアリーは不利対面をとることでそのまま並びの崩壊があり得るような単体性能を持ち隙を見せることが危険。拘りドラゴン技は耐久が高くないミミッキュやカプコケコにも通らず、それらが有利対面を得た際の圧力を遺憾なく発揮させてしまう。

つまり現在の環境のドラゴンタイプは個々の単体性能や第二タイプとしての役割が主でありドラゴンだから採用されるということは基本的にはあまりない。

 

  • ドラゴンの役割(竜枠の定義)

ドラゴンの役割は第五世代においては優れた数値と一貫性から対面崩しにおいて攻めの軸として確立されていたが現在ではそれは期待できない。

では守りに目を向けると炎水電草への耐性、これがドラゴンの役割のカギ。システム的にはフェアリーの隆盛→ドラゴンの減少→炎電水草が動きやすくなったという感じ。相対的には弱体化されたことは否めないが、まだ採用価値を見出せるのではないかというところ。

これらドラゴンが半減できるタイプは特殊優位なためドラゴンとしての役割はDが厚い方が持ちやすい。

無論サブの氷に引っ掛かるため不安定ではあるが瞬間的な耐性は強力、ドラゴンの耐性で繰り出した後に第二タイプ(場合によってはドラゴンも)を使って相手に負担をかけていくのが基本。

ドラゴンの役割を持つのに最も向いているのはラティ。2撃で落とせる火力、110族という崩しの炎電より速い速度、火力速度から見ても繰り出しも十分可能な耐久(氷2倍で十分耐えられるのが大きい)を兼ね備える。電水地の三竦みに纏めて強めなのも優秀なタイプ補完と感じる。

ガブリアスも守備面での安定感は欠くもののアイテムを加味すれば要件を十分に満たしており攻撃範囲やステロは魅力。

リザードンXもタイプ相性に優れドラゴンの役割を担えるが、速度とD方面の耐久に不安が残ること、メガシンカのシステムとして一度場で行動しなければ耐性変化できないことからやや難しい。つまり耐性を安定させる(多少不利でも居座ってメガシンカする)ために鬼羽での運用が多かったということだろうか。

サンムーンのS5~S6にかけてはそれ以前に多めであったマンダ+鋼+水や高耐久のサイクルを崩すために崩し志向の電気やリザYがある程度見られた印象がある。

それら炎電の崩し枠の対処を担える可能性の一つが竜枠という認識。

 

ボーマンダというポケモンはDが厚くなくサブでありがちな氷で4倍弱点を突かれドラゴンとしての役割を破壊されるためドラゴン枠としては不向きである。

アイテムが基本的にはメガストーン固定であるため役割破壊を回避できない。仮に非メガのマンダであった場合、フェアリーにろくに打点が持てないため防御面で瞬間耐性を使えても返しの攻撃性能に難がある(攻撃性能がなければ瞬間的な耐性が活かせないため本末転倒)。

つまりボーマンダというポケモンはドラゴンのメリットを享受しにくい代わりに非常に高い数値を得ているというのがシステムというかゲームバランスとしての見解。

構築単位で見た際にドラゴンのメリットを受けにくく守備面でのデメリットが大きい。そのため炎水電草へのケアが別途必要になる場合が多い。

マンダは飛行の性質が強く草は自然にケアできている部分もあるが、残りの炎水電に対しては並び単位で薄くなりがち。特に炎電はマンダの裏の鋼水にも強めなのでなおさらである(環境上位の炎は水を苦にしないものが多い)。

一応Dに厚く配分することで炎に対してはドラゴンの役割を持つことも不可能ではないがそれでも不安定な印象は拭えない。

 

マンダサイクルでは崩し枠をどう処理するかが重要な要素の一つ。

この部分は第七世代いっぱいに悩まされるだろうが崩しへの対策枠を意識して採用するだけではなく個々の対応範囲を見直したり対面的な選出を用意するといったことも考えていきたい。