サラマンスター(ポケモン)

ウルトラサンムーンシングル中心に殴り書き

サイクルのHSカプ・レヒレ雑感

f:id:Brighton30:20170920194728p:plain

極めて優秀な数値タイプ技とミストフィールドによる異常無効から参加できる複数回のサイクル中では屈指の強さを誇るこのポケモン

サイクル構築で採用されるのはずぶといHBベースやひかえめC振りが基本だと思うが、シーズン5と強キャラッシュ(最高レート2100↑が参加できる仲間大会)では臆病HSベースで使用していたためその際に気がついたことをまとめたメモ。

f:id:Brighton30:20170910221810p:plain

【サンムーンS5使用構築】受け回したいマンダカバロイド - サラマンスター(ポケモン)

強キャラッシュではシーズン5のものをベース(6体の種族は同じ)に個々の配分や技を少々変更して使用した。

以下に実際に使用した2パターンを示す。

 

1.1/2回復きのみ(強キャラッシュ使用)

f:id:Brighton30:20170312135517p:plainカプ・レヒレ@ウイのみ等 ミストメイカ

172(212)-x-136(4)-120(36)-151(4)-150(252)

ムーンフォースなみのり/リフレクター/くろいきり、ちょうはつ、めいそう、こごえるかぜ

(強キャラッシュではくろいきりで使用)

S→準速ミミッキュ+2(最速)

H→回復量も考えてなるべく高く、カプZ被弾時きのみ消費できる4n

HB→きのみ発動のため感覚を身に付けたい 

A182一致じしん 76~90 低乱2(15.63%)

A207+1メガギャラドス じしん 86~102

A161+2パルシェン ロックブラスト 23~28 乱10(23.63%)

(対パルは襷持ちに急所に当てられると負ける。)

C→遂行成功率や牽制力を高める調整振り

ムーンフォース

171-120ギャラドス 54~64 高乱3(82.47%)

145-96カプ・コケコ 67~81 乱2(73.44%)

148-94アーゴヨン 69~82 乱2(71.9%)

なみのり

212-110カバルドン    114~134 きのみに引っかからない

 

2.コオリZ(シーズン5使用)

f:id:Brighton30:20170312135517p:plainカプ・レヒレ@コオリZ ミストメイカ

175(236)-x-137(12)-116(4)-151(4)-150(252) 

ムーンフォースなみのりくろいきり/ちょうはつ、リフレクター

S→準速ミミッキュ+2(最速)

HB→最低限確保

A182一致じしん 76~90 低乱2(6.25%)

型1のようにCを120付近に調整するのもありかもしれない。

具体的には以下のような感じか?

173(220)-x-136(4)-119(36)-151(4)-150(252) 

 

  • 基本的な役割

カバルドンサザンドラの対処、ゲッコウガの誤魔化しは配分アイテム問わずレヒレの重要な役割。カバのあくびをオートフィールドでカットし水技による迅速処理が可能なのは特筆すべき。

それに加えてメガギャラドスパルシェンのストッパーとしても期待している。

ストッパーとするためには回復ソースが必要なのでくろいきりコオリZもしくは1/2回復系のきのみを持たせることになる。HSカプZは対面と崩しの性質であり役割遂行とは言いにくいので本記事では割愛、回復ソースの選択については後述。

他は技によって多少変わるが副産物が多いのはさすがのスペックと言ったところ。


前持って言うとこの型の汎用性はレヒレ単体としては最低クラス。

火力がなく耐久も高くないため役割対象が狭くなっていて、実際に通常のレヒレより選出機会自体が多くないという想定。 

この型の長所は何かというと優勢維持。

火力や耐久が高くないため出す対象は狭いものの、その範囲の役割を果たしつつ特に隙を与えないことに重点を置いた補完特化型(出せる対戦では活躍する)。

実際に積んでくる相手に対しては非常に突き刺さり、数的優位をとった局面から逃げ切りまでの繋ぎとして素晴らしい働きを見せた。

 

  • S振りの意義

耐性と噛み合うHBベースではバシャーモリザードンXメガギャラドスパルシェンといったポケモンに対して役割を持てる、ボーマンダガブリアスに対して偽役割を持てる、単純に複数回サイクルに参加しやすくなるといったメリットが大きくサイクルレヒレ単体で見た際の結論の一つと言える。

では上述の役割を果たすに当たりHBベースの方が勝るのに何故繰り出しが不安になるHSを採用するのかという疑問は当然と思う。

 

速くすることで特にミミッキュに対する隙を減らしていることが非常に大きいと考えている。

言わずもがな高い対面性能だけでなく剣舞や呪いでの崩し性能も持つため後投げから処理がしにくい意味があり隙を見せるのは避けたい相手。

サイクル系ではSが低いポケモンが集まりやすいこともあり相手の他のポケモンに役割を持った味方を疲弊させられてしまい一貫してしまう(荒らされる)、あるいは剣舞ミミッキュが一貫してしまうという流れが辛い。

そんなミミッキュに対して被害を抑えるためには上から行動するのが単純ながら有効であり、最速のレヒレであれば準速のミミッキュを抜いていて上から皮を剥がしたりちょうはつやリフレクターを選択できる。

ヒレ単体でミミッキュに勝つのは難しいのは変わらないが役割遂行後の起点回避が有効になり裏で対処しやすくなるのが重要。

Sが速いことでマンムーヒードランヒートロトムシャンデラに強くなっていること、フィールドと併せキノガッサへの抵抗力も低くない(当然勝てるわけではないが)等という細かいメリットは存在して副産物としては十分。

 

  • 切り返しと回復ソース

サイクルレヒレの重要な役割は上述のようにバシャリザXメガギャラパルシェンを後出し対処することである。

これらは積み技を使用してくるが全抜きを防ぐため後出し時に積まれても倒すか相討ちをとることが要求される。

HS配分ではこの役割が怪しくなるのは否定できず、実際に使用した際にはバシャリザXに後投げするのを諦めて可能な限り別のポケモン(HBカバルドン)で対処するようにしていた。

つまり裏に別枠のバシャリザに強い枠が必要になるため入る構築は限られる。

 

対メガギャラは元の速度が勝っているのが重要。舞われた後でくろいきりを選択することで次のターンに先手でちょうはつやリフレクターを選択できるようになるのはちょっとしたポイント。

パルシェンも同じように立ち回るがこちらは迅速に殴って対処したい(再度破られると困る場合にはちょうはつかリフ選択)。

この流れを行うにあたり積んだギャラパルの攻撃を2回耐えないため何らかの回復手段が必要だがその一つがコオリZ。

きのみと比べた場合に対メガギャラは+1非メガ地震→+1メガ地震でオボンさえ発動せずに貫通してしまい、対パルシェンは1/2でなければ回復量が足りないため差別化は可能。

コオリZの場合リフレクターかちょうはつがないと流せないので注意。

コオリZの場合の立ち回り

パルシェンに対して後投げ時破られたらくろいきりZから入る。

くろいきりZ/リフレクター

  f:id:Brighton30:20170312135517p:plain       f:id:Brighton30:20160926214126p:plainf:id:Brighton30:20171101233027p:plain
ヒレ後投げ      積み

くろいきり          攻撃

リフレクター      積み

くろいきりZ      攻撃

くろいきりZ/ちょうはつ

  f:id:Brighton30:20170312135517p:plain       f:id:Brighton30:20160926214126p:plainf:id:Brighton30:20171101233027p:plainf:id:Brighton30:20161204152610p:plain

ヒレ後投げ      積み

くろいきりZ      攻撃

ちょうはつ      積み失敗

(対パルシェンの場合最後ムーンフォースもいい。)

 

ここからは少し使用感や経緯的な話。

結論から言えばくろいきりZは積みリセット+回復を同時にこなせる一点が価値で汎用性は高くなく、使い勝手は1/2回復きのみの型が勝る。

つまりくろいきりZはあくまでも切り返しのための技であり回復はオプション。

回復が主目的ではないのは型の想定やレヒレ自身の性質からもそうなのだが、回復にターンを消費すること、回復が一度限りであること、使うタイミングを計りにくく総じて実戦では扱いが難しい。

特に回復のためにターンを消費するのが問題で、回復ターンに攻撃を受けたり相手を自由にさせることで自動回復であるきのみや残飯よりも実質的に耐久が劣るケースは多い。

攻撃を数回耐えながら相手に負担をかけるという動きとの噛み合いが悪いということ。

汎用性を落として尚Z消費というのも無視できず、味方の火力ひいては構築パワーを落としてしまうためコオリZの採用率が高くないのも分かる。

そういうわけで1/2きのみを持たせリフレクターで補佐したらどうかと考え試したのが1の型という感じ。

そうしたところリフレクター、S振り、1/2きのみ全ての相性が素晴らしく噛み合う状況では十分に撃ち合えるようになり総じて扱いやすくなったと感じた。

 

  • 技の選択

どれもS振りとのシナジーは十分。

リフレクター

1/2回復を持つ型では必須。

積みへの牽制

A↑である竜舞や複数回の積みに非常に強く、リフレクを選択してから裏に引くことで負担を軽減できるのが強力。

例えば死に出しや偶発対面のミミッキュに対して

直接裏に引いた場合→剣舞×2で3倍の被ダメ

リフレクから引いた場合→剣舞×3でも2倍の被ダメ

上昇倍率を実質カットすることで被ダメを抑えて連携処理や起点回避として活用できる。

きのみ消費の助け

被ダメージを小刻みにしきのみ圏内に入れやすくすることで、きのみを消費できるかという最大の問題をある程度解消できる。

リフレクター本来の効果も相俟って物理耐久が飛躍的に高まりかなりの行動回数を稼ぐことができる。

くろいきり

コオリZを持つ型では必須。

役割特化の技。

リフレクを選択した後の複数回の積みごりおしに刺すのが主、リフレクが切れそうな場合に積みリセット等。

バトン系全般にタイプ相性も相俟って強い。イーブイはもとよりバシャバトンに強いのが大きい。

起点回避としても優秀。S↑系の積みに対して下から使われS逆転からの上から倒されるパターンに対応できないのは難点か(ちょうはつもあれば併せて封じることは可能)。

ちょうはつ

この技単体でも再生回復を封じることで最低限の崩しとして扱える。フィールドが切れた際に状態異常技を封じる使い方が案外多い。

Sが速いため起点回避や展開阻害にも刺さる範囲は広くなっている。

ただ起点回避としてはくろいきりに軍配が上がる。

 

以下は倒したい対象とはやや異なるが有用そうな技。

めいそう

単体や並びに対しての崩し性能を持たせる。具体的にはポリゴン2、ミラー、ギルガルド(特殊)、ヒードランクレセリアに対して有効。

水ミラーやガルドが多かったS8では比較的刺さりがよさそうだった印象。

ただ狭く深い技でより構築を選びそう。

こごえるかぜ

S逆転での単体での撃ち合いや後続の補佐、S↑に対しての起点回避とマルチ。

ステロ撒きが初手レヒレ対面で封じから入ることは考えにくいのでそこに刺さりそう。

しぜんのいかり

採用の余地はあるが、明確な役割に直結しないため選択技に比べて優先順位が落ちると判断した。

 

  • S8終了後の現在

剣舞ミミッキュの減少、このレヒレに対して数値の無駄なく戦えるマンダの存在からやや刺さりが悪い感がある。

特にこの型は数値が低いため役割をよりはっきりさせて技を選択しなければならないと感じる。

端的に言うと素直なHBベースのものを選択した方が無難そう。

ステロ→削り→エースを通すというような並びが注目されているがこのレヒレでは通されるエースに勝てないため、前座の仕事を制限しつつ処理しエースの起点を防ぐような感じになれば十分と考える。

 

おさらい

ある役割範囲の要請を満たしつつ、高い起点回避性能(特に対ミミッキュ)を持つ補完。

役割を狭くしているため普通は選択肢になりにくい型ではある。

役割遂行及びS振りによる有利対象の変化(マンムーヒードランetc)や起点回避を買っての採用。  

 

 

最近は環境以前にポケモンが全く解らずにとても悩ましい。

ただ今後も補完に関しては汎用性も大事だがそれ以上に要請を満たすようなポケモンを探していきたい。