サイクルと強い崩しの相反
S12中盤までにロップ入りをかじったり最終盤に対受け回しに記憶にある限り全敗し感じたことを。
実質的にS12の反省も兼ねている。
(某強者に憧れてロップムドーをかじったがムドーが難しすぎた。)
当たり前のことしか書いてないが、そういうことしか書けないしそれを実践していくことが強くなることと思うための記事でもある。
それを前提にお読みいただくと幸い。
- 崩し枠の必要性
特性アイテムによるオート回復を持つポケモン(グライオン、ドヒドイデ、モロバレル、ヤドラン…)や一致等倍どころか不一致弱点を通すだけでは回復が間に合う固い受け(ラッキー、エアームド、ポリゴン2、カビゴン…)を中心に構成されたサイクルの中でも非常に固いものにある程度の勝率を出すには強い崩し、ハメ、こちらも固いサイクルで突破させないかのどれかと思う。
このうち強い崩しに特に言及していく。
・強い崩し
崩し枠と称される。積みをベースにZを絡めたものが多く代表的な崩しの一例としては画像の通り。
・緩い崩し
ステロ毒を絡めた定数や範囲で崩すようなもの。緩い崩しは対面性能やクッションと共存しやすいこともあり言葉通り緩く(強い崩しに比べて)リスクは少ない。
ただし上述の受けは毒が入らない上にオート回復のものも多く、これでは無限サイクルを崩すのは不可能に近いので強い崩しの必要性が出てくる。
強い崩し(崩し枠)は扱いが難しく構築、選出、プレイング全てに相当な技術が要ると思っている。
何故難しく感じるかというと以下の点。
・対面性能の微妙さ
崩し枠は火力が必要で耐久速度の兼ね合いから対面性能に欠けやすいため対面戦ではやや出しにくく潰し枠(ストッパー)への対応と選出段階で悩まされる。
こう考えると崩し換算が可能ながらある程度の対面性能を持てるリザXクチートは凄まじい性能でさすがメガ枠。
・体力管理の難しさ
崩し枠一枚で相手の構築を崩せるならよいが実際は被弾による過労死は避けられず持っていけて1.5体。
崩しを効果的にすべく行動回数を増やす(積む機会を作る)ためにHPを残すこと、そのため死に出しで出す必要性が高くなり必然的にサイクル参加が難しくなる、あるいは崩しを無傷で出すために後攻とんボルのサポートや交換読み交換が必要になってくる。
リスクがある崩しを相手に要求することが固いサイクルの強い部分の一つ。
- 崩しの採用
崩し枠は「風穴を開ける」のが仕事。
裏でも役割集中や残った相手の一掃を行うことまで含めて崩しとなる。
崩し枠を中心に考えるのはよいが、残りの枠で崩しをサポートすることで崩しを成立させる。クッションにステロや定数削り手段や異常技を持たせ補佐(ここで緩い崩しを意識)をするといったところで崩し枠の負担を軽減することが崩しの成功→勝ちに繋がる。
そういう部分を構築を組むとき及び選出時にゲームプランとするのが理想だが、諸々の兼ね合いが難しすぎてこれだけで非常に難解。
その理由として上述の通り崩し枠はサイクル参加が難しく周囲との守備面での連携がとりにくいこと、役割集中を行うにも攻めに寄せなければ難しくなることからサイクル構築では崩し枠の採用そのものがジレンマになりやすいため。
結果としてサイクルの敵は相手の崩しと同時に固いサイクルも同じくらい厳しいのではないかいうこと。
崩し不足は多くのサイクルで懸念されることだが特にS12で試したミミロップ入りで顕著だった。
ロップ単体の性質としては相手の攻めに強いが崩しがほぼできないこと。ねこだましを使った毒サイクルは有力なものの毒を入れること自体が簡単ではなく緩い崩しの域を出ないため毒無効のオート回復の受けに回されるだけで完封される。
ある程度回しロップの一貫を作るのが基本の勝ち筋なので固い受けに分が悪いのは仕方ないのだろうが、枠の関係もありそこまで意識するのが難しかった。
実戦では水フェアリーや地面枠に弱くなく相手によっては繰り出しも可能な崩しとしてカミツルギを採用した上記の並びで中盤19にのせたり某仲間大会で3位に入る程度の戦果は挙げたが、受け回し対してはメジャーなメガシンカで潰しとしても採用されるマンダやゲンガーに通せないことで結局ゲームには勝てず、スタンパに対してもムドーだけが守備に寄りすぎて一般枠(特にコケコ)に隙を見せすぎケアしきれなかったことで無理、単純に困ったら出すとか対面性能が高いポケモンがいないので選出立ち回りの負担が大きい等の欠陥が分かってきたのが主な要因で解散とした。
他の崩し手段として考えたのはカミツルギでは通らないマンダゲンガーに弱くなく水へも遂行できる電気での崩しを検討、クッションにも何らかの崩しや少なくとも補佐になる何かを仕込むことだが終盤までにある程度の形にすることはできなかった。
こういった諸々のジレンマが本記事のタイトルだが、少しでも解消するために緩い崩しより強いかつ強い崩し未満のものがそれを紐解くカギかもとは思っている。
そういった類いのものの一つに以前から型として存在していたがS12で特に結果を残して記憶に新しいものが以下。
(スカーフ)
レヒレは技の一貫性に優れるためスタンに対しては普通に攻撃、受け回しにトリックで機能停止させるのを崩しの軸とする。
スカーフというアイテムが対面志向だが、トリックにより崩し性能も付与している(両立はしにくいが)。ミストフィールドや相手の崩しを逆に倒せうる(電気やゲンガーへの隙を減らせる)点が評価されたのだろうか?
他の型のレヒレとは全く別物で机上論では使いにくそうに感じてしまうため実際に使用し結果を出した方は慧眼なのだろう。
ただ崩しとしては裏に別の通しも必要、コオリZドヒドやフシギバナが厳しく強い崩しとまでは行きづらいか。
他の方の構築記事を見ていると崩しとしての手段を全体的に散らばせながら崩し枠を採用しているのが見える。
サイクル構築であっても強い崩しが入っているものも見られるため、単に僕の構築選出立ち回りが悪かったり先入観による見通しの悪さも敗因か。
崩しを採用することそのものはまだ分かるが、実際の扱いだけでなく対面サイクルとの兼ね合いを想像できないため強い方の放送をこっそり覗きに行き学びたい。
また強さと緩さの中間の崩しを他に考え組み込んで結果を残すのが今後の目標の一つではある。
- その他雑感
7世代現在は構築のアーキタイプとして対面サイクル展開も大きく分けては決まっているがそれらを複合的に取り入れているものばかり。
そんな構築を組んだり調整することもだがそれを扱うにも高いスキルが必要と思う。相手も様々なことをしてくるし各メガシンカ毎にいくらかメジャーな並びがあるため事前のシュミレーションが非常に難しく対戦の中で指針を定めなければならないこともあると思われる。
崩しを上手く行うためには並びで戦うことを意識しなければならないが、そのためには構築選出立ち回りだけでなく相手の構築にも理解が必要で即座に身に付けられるものではなく今までの累積である経験がものを言う。
S12にロップ入りで勝ちきれなかったのはそういった累積がなかったこと、その経験値を溜めるための対戦数が足りなかったためと思われる。
こういった部分が難しいために1つの軸を固定した方が勝ちやすいと言われていることにはなかなか納得する。
それでも色んな軸に触れることで相性のいいポケモンや型、弱いところ、立ち回り等は学ぶことができるし、いざ相手にしたときにそれが生きるわけだから他の軸について浅いことが勝てない原因の一つと気づいた。
戦える構築を組むのは最も重要だが、気分転換がてら他の軸を試すのは悪くない。
S12では結果を出せず色んな意味で折れてしまったが、時間はかかっても実力不足と受け止めて前を向いて進みたいと思う。